遺言のイメージ

遺言のイメージー日本と欧米の違い

遺言と聞くと、どのようなことをイメージしますか?

財産の精算、死ぬ間際に家族に伝えるもの、金持ちの相続争いの元凶。

日本では遺言を残す文化が、まだ浸透していないように感じます。

その理由として

①円満なわが家に遺言は必要ない

②遺言を残すほどの財産がない

③遺言は縁起が悪い

④遺言を残すにはまだ早い

特に、日本人は縁起を大事にするので、③、④の理由が多いと感じます。

一方で、欧米では遺言を残すのが一般的です。

その理由として

①死がいつ訪れるか分からないので、自分の意思を家族に残したい

②死んだ後に家族を混乱させたくない

③自分の財産だから、死んだ後の処分も自分が決めたい

④遺言で財産を残す代わりに、死ぬ前に自分の面倒を見てもらいたい

②、④を見ると、遺言をうまく利用して、自分や家族の得になるように計算する傾向があります。

両者を比べてみるときに日本では、死を縁起の悪いものと考え、敬遠をしてしまいがちです。しかし、欧米はキリスト教国家のため、天国と地獄の概念など「死」を身近に捉えおり、文化の違いが表れています。

死のイメージとなかなか向き合えず、遺言を残すことが出来ない方が多くいることは理解ができます。しかし、「死」は誰にでも訪れます。自分の死後に家族に自分の意思を伝えられないこと、それによって家族にいらぬ紛争が起こること、こちらの方が不幸かと思います。

遺言は「死」を連想させるイメージの悪い側面もありますが、欧米で考えられているような上手く利用できる道具としての側面もあります。これから、遺言が「今の自分と家族のために、死後に自分の意思を残すもの」として利用できるものとして、前向きなイメージに変わっていけると良いと思います。

はなまる行政書士事務所

本間 隆史

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